誰しも耐えられない臭気

中央営業所の安田です。

札幌もすっかり秋になりましたね。
真夏の暑い日々は辛いですし、現場での作業も大変なのですが、それでも夏が終わってしまうというのはどこか寂しいものです。

さて、私は日々脱臭作業をメインとした仕事を担当しております。
亡くなってからしばらく放置されてしまった孤独死現場が最も多い事案ですが、他にもペット臭やタバコのヤニ臭、カビ臭等、様々な異臭の解決に勤しんでおります。

ニオイの問題というのは数値化も映像化もできず、どう感じるかという感覚的な世界なので、なにを以て解決というのかと、難しいところがあります。

例えば、ペット臭は、完全には消えなくても、ペットを飼っている方だったらある程度許容できることもあると思います。
ヤニ臭にしても、同様に完全には消えなくても、タバコを喫う方であれば納得できる場合も多いでしょう。

しかし・・・人が亡くなったことによる腐敗臭、所謂死臭については、許容できるという方は殆どいないだろうと思います。
そういう意味で、最も辛いニオイだと言ってもいいでしょう。
しばらく放置されたご遺体による腐敗臭は想像を絶するほどの凄まじいものです。
部屋全体に浸透します。
しかし、プロの業者が対応すれば、数日である程度は改善するものです。
あくまでもある程度・・・でございまして、気にならないレベルまで脱臭するにはクロスや床等の内装貼替、畳交換等も必要となる場合が殆どです。
除菌脱臭、残置物撤去、内装剥がし、本格除菌脱臭、内装工事と、これら全てを経て一か月程度かかる場合が多いのです。

そんなわけで、「孤独死は現代社会においてはある程度仕方ないが、せめて早く見つけてあげて欲しい」ということを繰り返し論じて参りました。
亡くなった方の尊厳を守るため、そして建物の所有者さんの復旧に要する費用を軽減するため、せめて数日で見つけてあげて欲しいと思っています。

弊社が時折経験するのが、「特殊清掃した筈なのに異臭が残っている」というケースの解決依頼です。

我々のような専門の業者ではなく、一般の清掃業者さんや便利屋さんが脱臭を引き受けることも多いのでしょう。それで解決できればいいのですが、大抵、死臭は生易しいことでは消えないものです。

しっかり脱臭しないまま、例えば内装工事をやってしまった後のニオイ戻り、更には入居者さんが住んでしまってから異臭が酷いという苦情がきたというケースもあります。
内装をやり直さないとならなくなる場合も多いです。
そして、入居して家具がある状態での脱臭工事は困難を極めます。

特殊清掃を安く済ませても、後々却って工事費が嵩んだり、手間がかかったりということになるわけです。

つい先週も上記のようなニオイ戻りの事案の依頼を受けまして、日々過酷な臭気を経験している身としてはニオイ戻り程度かと、正直軽い気持ちで現地調査に行きました。
そして入室して衝撃を受けました。
まだ何も手をつけていない孤独死現場とさして変わらないレベルの臭気が残っていたのです。
いったいどんな消臭をやったというのだろう？　元々凄い異臭だったのだとは思いますが、それにしてもこれは酷い・・・

決してこのような、依頼者さんをガッカリさせるような工事はするまいと改めて肝に銘じました。

なるべくお金をかけたくないというのも人情で、それは当然理解致しますが、強い異臭に関してはどうか専門業者に依頼されることを心よりお薦め致します。

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