孤独死現場で最初に浮上する問題
中央営業所の安田です。
賃貸アパート・マンションでの孤独死発覚の際、必ずと言っていいほど起きるのが、「誰が支払うか問題」です。
孤独死を発見するのは、大抵の場合、亡くなった方のご遺族や知人、そして大家さんや不動産管理会社の方です。
既に異臭が周囲に漏洩し、推して知るべしの段階もあれば、連絡が取れないため等で合鍵で中に入って発覚・・・という場合もあります。
そして警察に通報し、警察官が中に入って現場検証し、ご遺体を運び出して検視し、事件性がないかを調べます。
事件性が無いと判断された場合、部屋が引き渡され、我々特殊清掃員の出番ということになります。
私は、それが仕事だから・・・というだけではなく、一種の使命感も備わっておりまして、一日も早く解決して、綺麗な部屋に戻してあげたいという思いを強く持っています。
お任せ頂けるなら、即日現場に入っての緊急対応もしています。
しかし、お任せ頂くまでが結構大変なことが多いわけです。
「特殊清掃し、原状回復しなければならない。しかし誰が費用を払うんだろう?」
という問題があるからです。
まずはご遺族にということになりますが、必ずしもご遺族が負担する義務はありません。
相続を放棄してしまえばそれまでです。
「そうは言っても自分の親の後始末ですよ」と言う意見もあろうかと思いますが、必ずしも良好な親子関係ではなかったり、あるいは「気持ちはあるけどお金がない」という場合もあろうかと思います。
そうなると、結局は入居の際の保証人さん、もしくは大家さんが負担することになるわけです。
大家さんも本当に大変です。数か月の家賃は入ってこないし、特殊清掃~原状回復の資金を負担し、更には告知事項あり~事故物件という扱いになって家賃も下げることになったり、時には中々新たな入居者が決まらなくなったりと、ダメージが大きいです。
相談は受けたものの、「誰が支払うか問題」がはっきりするまでは我々も手をこまねいているほかないわけですが、一応のアドバイスとして、亡くなった方が何かしら保険に入っていて、その保険によって保険金が出る場合がありますよという話をよくします。
実際、ここ最近のケースの殆どが一部、あるいは全部が保険金でというものでした。
また、大家さん自身も加入できる孤独死用の保険も最近では増えてきたと聞きます。
弊社ですら月に数回は相談を受けるわけですから、恐らく札幌においては毎日のように孤独死が起きているのではないかと思います。
孤独死される方の平均年齢は60歳前後と言われています。
そんなわけで、大家さん自身は勿論、中高年以上の単身の入居者の方にも必ず保険に加入するようにした方がいいのではないでしょうか。
それが徹底されれば、高齢者の単身入居が中々できないという別の社会問題の解決にも繋がるのではないかとも思います。
勿論、孤独死を減らす努力こそ大切なことは言うまでもないですが・・・
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